それ以来、「死にたい」と思うたび彼女の顔を思い出していた。

 あのときの彼女だって、あんなに崩れかけになっても現実(ここ)にいる。
 ならせめてそれに恥じないよう、自分も、踏み止まらなければ。


 ここではないどこかに行きたいなんて思わず、
 地に足をつけて、背筋をしゃんと正して、
 上を向いて、身を奮い立たせて、

 たとえ自分が自分でなくなったとしても、
 決してこの命を諦めない。




「ま、いーやとりあえず行こっ」

「っ、」

「なに抵抗してんの? 怖いことしないってホラホラ」


 そうやって生きてくうちにもし、彼女にもう一度出逢えたら。




「お———っまたせ~!」




 きみに、伝えたいことがある。