佳宏は 時々、美咲を求める。 詩帆が生まれるまで、熱く求め合っていた二人だから。 佳宏の我慢を 美咲は解っていた。 それでも美咲は、ギリギリまで佳宏を拒む。 「美咲、今日はいいでしょう。」 佳宏が 寂しそうに言うから、美咲は 仕方なく応える。 でも 心が伴わない行為は、二人に 空しさしか残さない。 いつまでも こんなことを続けていたら、駄目になってしまう。 美咲はわかっていた。