お兄ちゃんの友達と、秘密のキス。

何回聞いたかわからないこのセリフ。


「お兄ちゃん、恥ずかしいからやめて……っ」


真っ赤な顔でそう告げたら、お母さんが呆れたように言った。


「またまた、バカなことばっかり言って。もうほんと呆れちゃうでしょ?」


「妹さんも大変ですね」


「そうなのよ~」


そんな時、チラッとこちらを向いた七瀬さんと目が合って。


――ドキン。


なぜか彼は、そのまま数秒間私のことをじーっと見つめてきたので、すごく戸惑った。


うぅ、どうしよう。そんなに見られたらドキドキしちゃうよ。


もしかして七瀬さん、私と会ったことあるの、思い出した?


いやまさか、そんなわけないか……。


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