「ただいまー」


その日、いつもより遅く帰宅すると、お兄ちゃんがさっそく玄関に出迎えに来てくれた。


お兄ちゃんは顔もすごくイケメンで、スタイルも良くて、おまけに頭もよくて。


私に対してちょっと過保護すぎるところを除けば、普通に自慢の兄なんだけど。


「おかえり、椎奈。今日はやけに遅かったね。どこ行ってたの?」


心配そうな顔で問いかけられて、ビクッと肩が震える。


「え、えっと……今日はさっきまで友達とファミレスに行って話してたから」


「ふーん。その友達って、誰?」


「の、ノンちゃんだよっ。ほら、同じクラスの」


「あぁ、あの子ね」


……ふぅ。危ない危ない。なんとかごまかせたかなぁ。


合コンに行ったなんて、お兄ちゃんにバレたら大変だよ。


靴を脱いで中に上がり、リビングへと歩いていく。


そしたらキッチンからお母さんが出てきて、笑顔で声をかけてきた。