お兄ちゃんの友達と、秘密のキス。

「オイオイ、女子~。さっそく俺らのこと忘れてない?」


「あ、ごめんごめん。そんなことないよっ」


「ウソつけ、今あの店員にめっちゃ見とれてたじゃん」


「えへへ、バレちゃった?」


なんて仲良さげに会話するノンちゃんと来栖くんは、さっきから何気にイイ感じだ。


そしたらその時、来栖くんの横に座っていた大橋くんとバチッと目が合って。


彼は次の瞬間、私を見ながらニコッと微笑んできた。


うっ……。


ど、どうしよう。こんな時、どんなリアクションしたらいいの?


分からなくて、とりあえずペコリと頭を下げる。


「よーし、じゃああらためて、みんなでカンパイしよっか!」


その後、合図とともにみんなでカンパイをして、また歓談タイムになる。


だけど私はずっと聞き役に回るばかりで、あまり会話に混じることができなかった。


ダメだなぁ。男の子と話すのって、やっぱり難しい。