「俺はさ、まあ他人に対しての警戒心は強い方だよ。」 まあ、うん。 いかにもそんな感じだよね。 いつもはヘラヘラしてるけど実は…って感じ。 「でも俺は、生徒会のメンバーなら、無条件に信頼できる。自分でもおかしいなって思うけど。」 「え…」 「俺にとって、“これ”はそれほど大きな要素なんだよ。」 トントン、と頭を人差し指でつつくその仕草は、記憶喪失のことを示すもの。 「だから俺にとっては、朱莉ちゃんも大事な仲間で、守るべき対象なの。」 ツキンと、胸が痛んだ。