目の前に座っているクリスさんは、どう見ても性別は男だ。
「そりゃビックリするよね。俺、今は男なんだから。でも、生まれたときは女だった。そして、サクラは俺と逆で、生まれたときは男だった」
「・・・?」
クリスさんの言っていることを理解するのに数秒かかった。
「俺は女として生まれた。でも、どこか違和感はあったんだ。俺はどうして女の子なのかって小さい頃から疑問はあったんだ…。それが神様に届いたのかどうかは、わからないけど7歳の時に、呪いがかかった」
湯気がたっていたはずの紅茶は冷めてしまっている。
私は黙ってクリスさんの話を聴く。
「急だった。ある日目が覚めたら、身体が男になってた。それが俺にかけられた呪い。でも、俺の呪いは完璧じゃなかった。夜になると、元の女の身体に戻るんだ」
じぃとクリスさんを見てしまう。
整った顔と、スタイルの良さと。
誰にでも親切で面倒見の良いクリスさん。
男の人…という印象しか持てない。
「サクラも俺と同じで、ある日目が覚めたら急に女の子になってるパターン。でも、サクラのほうは不安定な身体で。身体が弱まると元の男の姿に戻っちゃうらしくてさ。自分でコントロールが出来ないんだ」
そこまで言い切ると。クリスさんは急にティーカップを持ち上げて。
ゴクゴクと一気に紅茶を飲み干した。
「カレンちゃんだったら、わかると思うけど。俺もサクラも、この呪いのせいで。それなりに酷い仕打ちを受けたし、辛い思いだってしてきた」
ふと、クリスさんが見ているのは。
私の顔ではないことに気づいた。
私の顔ではなく、私の顔にある痣だ。
今までだったら、目をそらして。痣を隠していたのに。
私はクリスさんに対して何の感情すら湧かなかった。
「サクラは、心がグラグラ揺れてるんだ」
「揺れてる?」
「うん、自分を受け入れられないんだ。だから、ライト先生の言葉に騙された」
「ライト先生のことをそこまで信じていたのでしょうか…」
先生は医者だ。
でも、呪いを解くことなんて、出来るはずない。
「ライト先生のおばあさんって、魔女だったって知ってる?」
「そりゃビックリするよね。俺、今は男なんだから。でも、生まれたときは女だった。そして、サクラは俺と逆で、生まれたときは男だった」
「・・・?」
クリスさんの言っていることを理解するのに数秒かかった。
「俺は女として生まれた。でも、どこか違和感はあったんだ。俺はどうして女の子なのかって小さい頃から疑問はあったんだ…。それが神様に届いたのかどうかは、わからないけど7歳の時に、呪いがかかった」
湯気がたっていたはずの紅茶は冷めてしまっている。
私は黙ってクリスさんの話を聴く。
「急だった。ある日目が覚めたら、身体が男になってた。それが俺にかけられた呪い。でも、俺の呪いは完璧じゃなかった。夜になると、元の女の身体に戻るんだ」
じぃとクリスさんを見てしまう。
整った顔と、スタイルの良さと。
誰にでも親切で面倒見の良いクリスさん。
男の人…という印象しか持てない。
「サクラも俺と同じで、ある日目が覚めたら急に女の子になってるパターン。でも、サクラのほうは不安定な身体で。身体が弱まると元の男の姿に戻っちゃうらしくてさ。自分でコントロールが出来ないんだ」
そこまで言い切ると。クリスさんは急にティーカップを持ち上げて。
ゴクゴクと一気に紅茶を飲み干した。
「カレンちゃんだったら、わかると思うけど。俺もサクラも、この呪いのせいで。それなりに酷い仕打ちを受けたし、辛い思いだってしてきた」
ふと、クリスさんが見ているのは。
私の顔ではないことに気づいた。
私の顔ではなく、私の顔にある痣だ。
今までだったら、目をそらして。痣を隠していたのに。
私はクリスさんに対して何の感情すら湧かなかった。
「サクラは、心がグラグラ揺れてるんだ」
「揺れてる?」
「うん、自分を受け入れられないんだ。だから、ライト先生の言葉に騙された」
「ライト先生のことをそこまで信じていたのでしょうか…」
先生は医者だ。
でも、呪いを解くことなんて、出来るはずない。
「ライト先生のおばあさんって、魔女だったって知ってる?」



