Your Princess

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ぐったりと重たかった身体も。
2~3日すると、元に戻りつつあった。
けど、毎日。楽しそうに話しかけてくれるサクラさんがいなくて。
毎日、勉強を教えてくれるライト先生がいなくなると。
私の日常は一気に静まり返っていた。

何をしていいのかわからない日々になってしまう。
サクラさんにも、ライト先生にも。
もう会えないのかなと思うと。
哀しくてどうしようもない気持ちになる。

「ご馳走様でした」
昼食を食べ終えると。
厨房からシュロさんが顔を出して。
食器類を片付ける。
「食後のお茶を出しましょうか?」
「あ、はい。お願いします」
相変わらず、シュロさんは他人行儀だ。
朝は初対面。お昼は探られている感じで、夜になるとちょっとだけ仲良くなる。
不思議な感じ。

シュロさんがお茶を用意してくれている間。
ぼーとしていると。
「カレンちゃん」と声をかけられた。
扉から入ってきたのは。
クリスさんだ…。

「え、クリスさん!?」
食堂に入ってくるのは大丈夫なのだろうか。
クリスさんは相変わらず見た目がカッコよくて。
颯爽と目の前にやってきた。
「あ、一応。言っておくけど。ちゃんと蘭に許可は取ってるからね」
と、前置きをしたうえで。
「ほんと、ごめん。カレンちゃん」
急に頭を下げるので。
私は驚いて立ち上がった。
「何で謝るんですか!?」