Your Princess

君を売った。
…全く理解の出来ない言葉に私は首を傾げた。
「君は本当に世間知らずだ。まあ、とりあえず君はそこに座ってればいい」
ふんっとライト先生が鼻をならす。
「先生、さっき人質って言ってましたけど。私にお金がないことは知っているでしょう?」
とりあえず、ロープをほどいてもらいたかった。
「ああ、知ってるとも」
先生はドアの前に立った。
「だから、僕は蘭君からお金をもらうだけだよ。君と引き換えに」
「え・・・?」
「君はそこで座っていればいい。蘭君は必ず来るだろう。そうしたら、君は自由だ」
「もし、来なかったら?」
私の言葉に、ライト先生は静かに睨んだ。
「そこは、自分で考えなさい」
ライト先生は出て行ってしまった。

一気に静まりかえる空間。
夢なのだろうと思って目を閉じて開いてみたけど。
やっぱり状況は変わらず。
ロープがほどけるか、力ずくで手足を動かしてみたけど。
手首・手足が痛くなる一方で、ほどけない。

「なんで…、サクラさん。サクラさん」
叫んだみたが、誰かが来る気配はない。
どうして、こうなった?
何で、私はここにいる?
頭がおかしくなりそうだ…