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久しぶりに8歳の時の夢を見た。
お花畑でシロツメクサを摘んで、冠を作っていた。
そこに現れた金髪の男の子に「気持ち悪い」と言って突き飛ばされ。
男の子は黒髪の女の子と一緒にどこかへ行ってしまった。
私は大声で泣き叫んだ。
どうして、ここまで鮮明に覚えているのに。
ローズさんのことを、蘭だって思ってしまったのだろう。
あの時、蘭じゃないってわかっていれば。
蘭を見る目が変わっていたのかな…
「ぅん…」
いきなり悪寒が走って。
目を覚ますと。
見知らぬところにいた。
どこだろうと身体を動かそうとすると
「えっ」
両手、両足。
ロープのようなもので縛られていることに気づく。
「ええっ」
椅子に座った状態で。
私は手と足を拘束されていた。
周りはジメジメとした空間で、何も置かれていない。
「あ、起きたようだね」
ドアが開いて現れたのは、ライト先生だ。
「先生…これはどういう状態ですか?」
夢を見ているならば、なんてリアルなのだろうと思った。
何で私は縛られて何もない部屋にいるのか。
そもそも、どうしてこんな状況なのか。
サクラさんの姿はなかった。
車で寝てしまって。
どうして縛られてるんだろう…。
「君は人を信じすぎる」
そう言うと。先生は近づいてきて。
私の顎をつかんで上げた。
「君は人質だよ。僕はお金が必要でね。当分そのままでいてもらうよ」
眼鏡の奥に光る先生の不気味な感情に。
私は言葉を失った。
少しばかり眠ってしまっただけで。
何でこんなことになっているのだろう。
「先生、サクラさんは?」
部屋はひんやりとしている。
もしかしたら、地下にある部屋なのだろうか。
まるで、牢屋のようだ…
「サクラくんはここにはいないよ。君に合わす顔がないんだろ」
「…どういう意味ですか?」
先生は私から少し離れて。
じっとこっちを見た。
「まだ、気づかないのか?」
「……?」
ライト先生の言うことがわからない。
「サクラくんは、君を売ったんだよ」
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久しぶりに8歳の時の夢を見た。
お花畑でシロツメクサを摘んで、冠を作っていた。
そこに現れた金髪の男の子に「気持ち悪い」と言って突き飛ばされ。
男の子は黒髪の女の子と一緒にどこかへ行ってしまった。
私は大声で泣き叫んだ。
どうして、ここまで鮮明に覚えているのに。
ローズさんのことを、蘭だって思ってしまったのだろう。
あの時、蘭じゃないってわかっていれば。
蘭を見る目が変わっていたのかな…
「ぅん…」
いきなり悪寒が走って。
目を覚ますと。
見知らぬところにいた。
どこだろうと身体を動かそうとすると
「えっ」
両手、両足。
ロープのようなもので縛られていることに気づく。
「ええっ」
椅子に座った状態で。
私は手と足を拘束されていた。
周りはジメジメとした空間で、何も置かれていない。
「あ、起きたようだね」
ドアが開いて現れたのは、ライト先生だ。
「先生…これはどういう状態ですか?」
夢を見ているならば、なんてリアルなのだろうと思った。
何で私は縛られて何もない部屋にいるのか。
そもそも、どうしてこんな状況なのか。
サクラさんの姿はなかった。
車で寝てしまって。
どうして縛られてるんだろう…。
「君は人を信じすぎる」
そう言うと。先生は近づいてきて。
私の顎をつかんで上げた。
「君は人質だよ。僕はお金が必要でね。当分そのままでいてもらうよ」
眼鏡の奥に光る先生の不気味な感情に。
私は言葉を失った。
少しばかり眠ってしまっただけで。
何でこんなことになっているのだろう。
「先生、サクラさんは?」
部屋はひんやりとしている。
もしかしたら、地下にある部屋なのだろうか。
まるで、牢屋のようだ…
「サクラくんはここにはいないよ。君に合わす顔がないんだろ」
「…どういう意味ですか?」
先生は私から少し離れて。
じっとこっちを見た。
「まだ、気づかないのか?」
「……?」
ライト先生の言うことがわからない。
「サクラくんは、君を売ったんだよ」



