***

一週間、蘭とは会ってない。
謝ることもしないまま、時間だけが流れていく。
「ライト先生、お疲れ様でした」
そう言って。私は玄関前でライト先生に頭を下げる。
「また、明日」
そう言って先生は微笑んで帰っていく。

「……」
先生の後ろ姿を黙って眺めながら。
この先、どうすればいいのだろうかと立ち尽くす。
頭の中がぐっちゃぐちゃで。
一つ一つどうやって整理すればいいのだろう。
私はここにいるべきではないことは、わかってる。
でも、外に出られない。
馬鹿なんだ、私。

大きくため息をついて。
部屋に戻ろうとすると、「カーレーン」と呼び声が聴こえた。
声のするほうを見ると、渚くんがこっちに駆け寄ってくる。
「めたんこ、久しぶり!」
勢いよく突進してきたかと思うと。渚くんが私に抱きついてきた。
無邪気な表情で私を見た。
「ずっと会ってなかったじゃん」
ぷぅと渚くんが頬を膨らます。
「ま、でも。色々と大変だったみたいだね」
そう言って渚くんが笑った。
久しぶりに見た渚くんに安心したのか。
「え、カレン。何で、泣くの!?」
渚くんを前に、私は号泣してしまった。