「おまえ…何してんの?」
蘭の顔が赤くなっていく。
ヤバい…コレは確実に怒っている。

どうしようと思っていると。
男の人はにぃっと蘭に向かって笑った。
「おい、ローズ! 人の奥さんに何してるんだ!!」
(ローズ?)
蘭はズカズカとこっちへ向かってきた。
「どけ!」
ローズと呼ばれる男の人に言うと。
男の人は「しょうがないなぁ」と言って膝から離れた。

「蘭の奥さんがどんな人か見に来ただけじゃん」
「あのな、おまえ。順序をわきまえろ」
蘭と男の人の言い合いに。
ぽかんと見とれていると。
蘭は急にこっちを見た。
「おまえはここから、出ていけ!」
屋敷中に響き渡る声で、蘭に言われた。