ドキンドキンと高鳴る鼓動。

千景くんがそばにいるってだけで、とても落ち着かない。


「顔、赤いけど? 風呂でのぼせちゃった?」


「う、ううん……っ」


そんなの千景くんのせいに決まってる。


うつむこうとすると千景くんの髪から雫がポタッと落ちた。


「髪乾かさなきゃ、風邪引くよ?」

「じゃあ綾乃が乾かして?」


戸惑うわたしの横に座って、千景くんは頭を差し出してくる。


ど、どうしよう……。


目のやり場にすごく困る。


だ、だって裸だし、意外としっかり筋肉がついた胸とか腹筋とか……。


男の子なんだなって、当たり前のことをまた認識させられた。