「ちかくん、早く行こうよ〜! 喉渇いた〜!」 女の子に腕を引かれながら、千景くんはスッと視線をそらす。 そして屋台が並ぶ人混みへと消えていった。 2人の背中が見えなくなってからも、わたしはそこから動けなくて。 ゆらゆらと揺れる提灯の明かりをぼんやりと見つめる。 「なに、あれ。なんで桐ケ谷が女子といんの?」 あ、だめだ……。 泣きそう……。 「ねぇ、意味わかんないんだけどっ! 東条くん、どういうこと?」 「いや、俺にもさっぱり……」