「ありがとう」 「とりあえずこれだけやっちゃうから、成瀬は貸し出し業務お願い」 「わかった」 今野くんが返却された本の整理を始めたので、何気なくカウンターに積んであった本を適当に取って、パラパラとページをめくる。 始めと終わりのところだけを読むという読書法に、隣で作業していた今野くんが目を丸くした。