珍しく、奏悟が風邪をひいて早退した。景都と同部屋だが、流石に一緒には出来ない…という事で俺の部屋に寝かせる事にした。
熱はそこまで高くはないが、一応休ませる。だが、今日に限ってバイトが午後から入っていた。学校早退出来ても、バイトまでは無理。俺は、景都に連絡をし、部活を休むと言ってくれた。この期に及んで弟達には頭が上がらない。父親は未だにこちらに見向きもしない…
俺は、昼食を作り奏悟を起こす。
「食えるか?」
「あぁ兄さん。ありがと。」そう言って奏悟は食べ始めた。
「俺、今日はバイトだから、俺が行く頃には景都が帰ってくるからな。」俺が言うと奏悟は頷いた。