「ねぇ兄さん。」他の人らが起きて来るまで待っていると、景都は言った。
「どうした?」と訊くと、景都は
「兄さん。兄さんが犠牲になろうとしなくて良いんだよ。」その言葉は、俺の胸に深く刺さる。
「へ...」間抜けな声が出た。
「俺らもさ、兄さんの力になりたいんだよ?俺だってこうやって、料理作れる様に努力してる。奏悟兄さんだって、祐司だって蒼司だって、力になりたくて努力してんだ。だから、兄さんだけが犠牲にならなくて良いんだよ。」景都は、精一杯になって言った。