「違う、違うっ…違うのっ」


わたしの声にミナトが振り向いた。



「さくら…?」



「違うの…本当は…」



言っちゃだめ。



「本当は、わたしもっ…」



言っちゃだめ。



「わたしもっ」



頭が言ってはいけないと、警告する。
だけど心が今すぐに言ってしまえと、叫んでる。



言っちゃだめ。


分かっていたのに…




「わたしもっ…ミナトのことが…」




分かっていたのに……




「ミナトのことが好きなの…」