「ごめんっ…」


「うん…わかった」


ミナトは、切なそうな表情をしたあと悲しそうに笑った。




「…ミナト…」


「いきなりごめんね」


「ミナト…」




そんな悲しそうに笑わないで。


どうして好きな人に好きって言ったらいけないの

どうして好きな人のこんな悲しそうな顔を見なくちゃいけないの。




「…そろそろ帰ろうか」

静かにそう言って背を向けて歩くミナト。


行かないで…。


違うんだよ、わたしもミナトが好きなんだよ、



わたしは弱かった。
何一つ考えていなくて、ただ自分のことしか考えていなかった。



すごく、すごく、すごく、すごく弱かった。



だからもう耐えられなかった。



「違うっ…」


背を向けるミナトに、そう叫んだ。