ハンバーガー店を出ると、もう夕方になっていた。
「さくら、せっかくだから海行かない?」
「海?」
「10分くらい歩くんだけど」
「行きたい!」
ミナトの誘いに頷いた。
「もうすぐ日も沈み出すからきっと綺麗だろうね!」
「そうだね」
二人で話ながら海まで歩く。
「あ…」
「どうかした?」
「ううん、何でもない」
何でもないフリして、下を見る。
ミナトとわたしの影が見えた。
その影が何だか切なくて…
将来を決められてるわたしの変わりにせめて…
せめて、
この影だけでも、自由になれたらいいのにと、思わずにはいられなかった。