「さくら、次の日曜日空けておきなさい」
ゆっくりと箸を置いたお父さんがわたしを見据える。
日曜日。それはミナトと水族館に行く約束をした日だ。
「…どうして?」
嫌な予感がした。
「一之瀬さんから連絡がきた」
「…………」
やっぱり。
やっぱり、嫌な予感がしたんだ。
「おと…さん…、」
「なんだ」
仕事モードの目をするお父さん。
その目が嫌いになったのは、いつからだろう。
小さい頃は、会社を背負う、社員を思うお父さんが好きだった。
その仕事モードの目を嫌いになったのは、
あの日から────。
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