「お父さん、おかえりなさい」
「ああ」
下に降りるとお父さんもソファーに座っていた。
今でもお父さんの仕事のサポートをしているお母さんが帰ってきたってことはお父さんも帰ってきていることは予想していたけれど、お父さんと話をするのは1週間ぶりくらいだった。
「これ、仕事の帰りに買ってきたの。さくら好きだったでしょ?」
お手伝いさんがお皿に乗せてショートケーキを2つ運んできてくれた。
「わあっ、ありがとうお父さん、お母さん」
運ばれてきたショートケーキはわたしが好きなケーキ屋のショートケーキだった。
スポンジが柔らかく、生クリームが濃厚で苺は大きくて甘い。
小さい頃から何度も食べてきた大好きなショートケーキ。



