「…───になるんだけど、分かった?」
「…ごめん、もう一回お願いします」
ミナトが教えてくれたのによく分からなかった。
申し訳ないと思う。
「ごめんね、数学って苦手で…」
「いいよ。あ、そっち行った方が分かるかな」
そう言ってミナトはわたしの隣の席に座った。
「これはまずこの公式を使って…」
近い距離に来て教えてくれるミナトにドキドキする。
近い。
教えてくれてるから当たり前なんだけど、ミナトが近くにいてすごくドキドキする。
それでもミナトが教えてくれてるんだからと、真剣にミナトの話を聞いた。



