二人で近くの図書館に向かった。
図書館に着くと勉強が出来るスペースに行き向かい合わせに座った。
お互い、それぞれの勉強を始める。
「……」
たまにミナトを盗み見るとスラスラと問題を解いている。
綺麗な字だなぁ。
伏し目がちなミナトの綺麗な顔に睫毛が影を作る様子が何だかいつもより大人っぽくてそれもまたドキドキした。
「…さくら?」
「えっ!」
ミナトを見ているといきなりミナトが顔を上げた。
「どうかした?」
「え、えっと…あ、ここ!これが分からなくて…」
ミナトを見ていたなんて言えないから咄嗟に勉強していた数学の問題を指差した。
「ここ?」
「うん…」
「ここはね─…」
ミナトはそう言ってやり方を教えてくれようとしている。
誤魔化すために言ったけど、本当に分からない問題だったから良かった。



