抱きしめられながら⋯、抱きしめ合いながら、身体中にミナトの匂いを、温もりを、力強さを刻み込んで─────。
「もしも、もしもいつかまた、出会えたら⋯その時はまたっ⋯、またっ、わたしと恋をしてくれる?」
それが八年後でも十年後でも、五十年後でもいいから。
わたしはミナトだけを想っているから。
だからまた、あの雨の日と同じように偶然出会えたら⋯。
「俺たちがまた出会う運命だったら、その時はもう、今度こそ二人で幸せになろう」
「⋯っ絶対?」
「絶対」
「⋯っ約束だよ」
「うん。約束」
ミナトの声は涙で震えていた。
きっと、わたし達を包み込む海風は、二人の涙を撫でている。
「もっと強く、強く、抱き締めて」
「さくらっ⋯」
「もっと、もっと強く抱きしめてっ⋯」
「愛してる」
「⋯っわたしも、愛してるよ」
これでさよならでも、その気持ちは絶対この先何があっても変わらないから。
ミナトがくれた愛があればこの先何があってもわたしは大丈夫だから。
この先ミナトの隣に違う人が立つ日が来ても。
だけど願わくば、わたしがミナトだけを愛する様にミナトもわたしを愛してくれたら⋯というのはさすがに贅沢すぎるかな。
だけどもし、ミナトがわたしだけを愛し続けてくれて、いつかどこかでまた会えたなら⋯その時は約束を守ってもらおう。



