泣きじゃくるわたしを、もう昨日のように「泣かないで」と言ってくれるミナトはいなくて。
涙を拭ってくれる指先もない。
これがもう揺るがない思いなのだと悟る。
もう、ミナトとの未来はないのだと。
「好きっ⋯、好きだよ、ミナトっ」
「俺もさくらの事が好きだよ」
「誰よりも、ずっと、ずっと、大好きだよっ⋯」
好き同士なのに、どうして上手くいかないんだろう。
どうして諦めなくてはならないんだろう。
わたし達が出会った理由は何なんだろう。
辛いのに、悲しいのに、それなのに決して出会わなければよかったなんて思えないのはどうしてなんだろう。
「ねぇ、ミナト。最後に抱きしめて」
もう二度と触れることは出来ないのかもしれない。
だけど今はまだ、この瞬間はまだ、ミナトはわたしの彼氏だから。
ミナトはわたしのものだから。
掻き抱くようにして引き寄せられた体は、きっと、いつまでもこの温もりを忘れることなく覚えているんだろう。



