なんだって、諦めてよかった。
犠牲にして捨て去ってもよかった。
ミナトだけが大切だって思ってる。
だけど、何だって捨てられるけれど、ミナトだけは捨てられなかった。
ミナトの将来を、幸せを奪うことだけは出来なかった。
わたしが幸せで笑うとミナトも笑ってくれる様に、わたしが苦しいと同じように痛みを分け合ってくれるミナトだからこそ、わたし達は一緒にはいられない。
好きだからこそ、耐えられない。
目の前には泣きそうな顔をするミナトがいて。その髪の毛は昇ってきた朝日に照らされて。
冬の肌寒い早朝、視界に入る海はどこまでも美しくて。
冷たい空気が喉を乾かして。
「⋯ミナト、本当にもう終わりなの?」
「帰ろう」
「⋯もう、この先はないのっ⋯?」
ゆっくり頷いたミナトに涙が溢れた。



