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「そろそろ帰ろうか」
「そうだね」
あれからしばらく桜を見ていたさくらは風が止むと、
「綺麗だったね」
と笑った。
────……
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「今日はすごく楽しかった、ありがとう」
駅まで来るとさくらは笑顔を見せた。
「俺も楽しかったよ」
そう言うと嬉しそうに笑うさくらはやっぱりとても可愛いと思う。
時々見せるあの悲しそうな表情は、
消えそうな雰囲気は何なんだろうか。
「さくら、あの…良かったらまた会おう」
「それじゃあ」と駅の改札を通ろうとするさくらを呼び止めて気づいたらそう言っていた。
もっと、一緒にいたい。
さくらを知りたい。
さくらは困った表情を見せた。
「ごめん、急に気持ち悪いよな、わす、」
「違う!」
「忘れて」と言おうとした俺の言葉をさくらは大きな声で遮った。
「違う、違うの」
そしてさくらは苦しそうな顔をしたあと何かを決めたような表情をした。
「わたしも、また会いたいよ。
ミナトといるとすごく楽しいから…だから、わたしもまた会いたいと思ってる」
素直にそう言われて嬉しかった。
さくらの言葉が嘘だとは思えないから。
「じゃあ、また会おう。連絡するから」
そう言うとさくらは
「分かった」
と微笑んだ。



