「ていうか陸の話はどうでもよくて。さくら本当に何かあった?」
最寄り駅までの道を手を繋いであるく。
周りにはミナトと同じ学校の生徒がちらほら居て、その中にはわたし達と同じように手を繋いでいる恋人たちの姿もある。
「ミナト⋯、あのね、」
手を繋いでいる恋人たちは何の問題も抱えていないように見える。
実際はそんな事他人がわかるはずもないけれど、わたしの目に映る二人は幸せそうで。
何の問題も障害もなく毎日を送っているように見える。
「さくら?どうかした?」
それが堪らなく羨ましくて。
「あのね、ミナト⋯」
「ん?」
「ミナトは前に言ってくれたよね?一緒に逃げてくれるって」
「さくら、」
「それって世界中でわたしだけを選んでくれるって事でしょ?」
「⋯さくら」
立ち止まったミナトが繋いだ手に力を込める。
「さくら、大丈夫だよ」
「⋯ミナト、」
「俺は何があってもさくらの事が好きだから」
「っ」
「何よりも、誰よりもさくらが大切だから」
きっとミナトはわたしが何を言おうとしているのか。
何をしようとしているのか。
全てをわかっている。
だから繋いだ手に力を込めたんだ────。
「どこか遠くへ行きたい。二人だけで」
ミナトの胸に縋りついた時、滲んだ涙が頬を伝った。



