次の日、学校が終わるとわたしはある場所へと向かった。
「⋯っさくら?」
それはミナトの学校で、校門の前でミナトが出てくるのを待っていたわたしに気付いたミナトは驚いた表情をしている。
それもそのはず。今日放課後会う約束はしていたけれど待ち合わせは二人の学校の間にある駅で、学校に来るなんてわたしは一言も伝えていなかったから。
「ごめんね、急に」
「いや⋯、大丈夫だけど。どうかした?」
「どうかしたってわけじゃないんだけどね⋯」
驚きつつも嬉しそうに笑うミナトにわたしも微笑みかえしていると、ミナトと一緒にいた男の子が人懐っこい笑顔を見せる。
「あれ?君ってもしかしてミナトの彼女?」
「陸、絡むなよ」
「なんで?いーじゃん、俺ら友達だし。はじめましてー、陸でーす」
「はじめまして。華山です」
「もしかして生徒手帳の?」
「えっ?あ⋯そうです」
「あーもー、陸はいいから!早く行って、じゃーな、また明日」
「おっ前、ひど!⋯まあいいや。またな。生徒手帳ちゃんもまた」
「またとかないって⋯」
陸と呼ばれたその男の子は明るく、見た目もヤンチャで一見ミナトと気が合わなそうなのに二人はとても仲が良さそうで。
「⋯ごめんさくら。アイツ本当にああいうとこあって⋯」
「ううん。ミナトの友達に会えて嬉しい」
「⋯ごめん。ありがとう」
ミナトの呆れた表情ながらもそこに優しさがある事に二人がとても気の合う友達だという事がわかった。