受験当日、わたし達は一緒に買いに行った合格祈願の御守りを交換しあって試験に望んだ。
まだ合否は出ていないけれど出せるだけの力は出したし、後は合否が出るのを待つのみだ。
という事もあって、最近ではミナトと会う事も増えた。
休日には電車に乗って少し遠出をしたり、いつも通りのデートをしたり。
喫茶店で他愛もない会話をしたり。
ミナトと会う度に好きという気持ちは増えていって、ずっとずっとこうして二人で過ごせたらいいのにって思わずにはいられなかった。
だけど、時間が過ぎれば過ぎる程近づいてくるタイムリミットはもう本当にすぐそこまで迫っていて。
「─────さくら、話がある」
珍しく早く帰宅したお父さんに嫌な予感がした。



