「なんだか⋯フワフワする⋯」


それは決してお湯で逆上せたとかではなく。


この状況に緊張しているからだ。


だってミナトのお家だよ!?好きな人の、彼氏のお家だよ!?


ハレンチな妄想はやめようと思っていても、頭の中にはフワフワしたピンク色の雲が飛び回っていて、どうにもこうにも落ち着かない。



わたし、今日⋯⋯、ミナトと⋯?


なんて事まで想像して、ヒュッと心臓が伸縮した様な心地になる。


まさかこんな展開は予想していなかったし、もちろんわたしにそういった経験はない。

もちろんミナトとなら⋯って思ってるけど、いざとなったら緊張で口から心臓が出てきそうだ。



「もう、どうしよ⋯」



ドキドキ鳴る胸は落ち着く事はなく、緊張でなのかお湯で火照ったのかわからない顔のまま、脱衣場を出た。