そんな会話をしながら映画館を後にする。

その後もブラブラとお店を見たり、価格はお手頃ながらもお洒落なレストランでディナーをして。



「この近くにイルミネーションがあるんだけど、行ってみない?」

「わたしイルミネーション好きなんだ!キラキラしてた綺麗で⋯行きたい!」



そう言われて、はしゃぎながら返事をするわたしにミナトも嬉しそうに頷いて手を繋ぐ。

だけど、手を繋いだ瞬間にポタリと頬を何かが掠めて──────。



「嘘⋯、雨?」



空いている手のひらを出してみれば、ポタリ、ポタリ、と雫が落ちてくる。



「マジか」

「天気予報ではそんな事言ってなかったのに」

「イルミネーションは⋯ちょっと無理そうだな」



同じ様に空を見上げるミナトと会話を交わしている内にも雨は段々と激しを増していき⋯⋯。



「さくら、とりあえず駅の方戻ろう」

「うん、そうだね」



このままではずぶ濡れになってしまうと一旦、屋根のある駅へと戻る事にした。