「ありがとう。ミナト。わたしも、ミナトと毎日笑って過ごしたいよ。この先も、ずっと」

「うん。じゃあ、これは二人の夢だね」

「二人の?」

「俺とさくら。二人の将来の夢」



喫茶店のオレンジ色の照明に照らされたミナトの笑顔は、どこまでも優しくて。

その笑顔を見ただけで胸がドキドキして、締め付けられて、泣きそうになるの。

でもそれは悲しいからじゃなくてきっと、好きという気持ちが心のタンクから溢れ出して涙となって出てきてしまいそうになっていると思うんだ。



「ミナトは向日葵みたいだね」

「俺が?」

「うん。ミナトの雰囲気は柔らかくて、黄色のイメージだから」

「ありがとう⋯?」

「どういたしまして」



わたしが笑えばミナトも笑う。

きっと、こんな風に無条件に笑顔を連鎖出来る相手なんて世界中どこを探したってミナト以外にいないと思う。



「運命、なのかな⋯?」

「何か言った?さくら」



ついポツリと零れてしまった声はどうやらミナトまでは聞こえなかった様で、わたしは「なんでもないよ」と誤魔化した。


さずかに運命なんて言葉にして伝えるのは照れくさかったから。

だけど心の中でくらい、それを信じてもいいよね、ミナト。