翌、19時。
約束通りあるレストランで待ち合わせたわたし達は先に食事を済ませる事にした。
そう提案したのは凛也さんで、「先に食事をしよう」と言ったその口振りから今日わしが会いたいと言ったのは目的があると察しての事だろう。
あなたに会いたいから。なんて甘い理由などわたし達の間にない事は当人であるわたし達が一番よく知っているから。
「それで?わざわざ連絡してきたのには理由があるんだろう?」
食事を済ませた後のレストランの個室で向かい合わせに座るわたし達。
ゆっくりと細められた凛也さんの瞳は鋭くて、全てを見透かされている様な気持ちになる。
「凛也さん」
全てを曝け出す事も、暴かれる事も同じくらい怖い。
だけど、どうせもうタイムリミットは止まる事なく襲いかかってくる。
ならばその瞳に暴かれてしまう前に、自分から先手を打って曝け出してしまった方がまだマシだろう。
その方が覚悟も決められる。
「わたしには好きな人がいます」
「⋯」
「その方とお付き合いしています」
動き出す、壊れ出す、
わたしの言葉に凛也さんは驚いた様子を見せなかった。