今までミナトが誰と花火大会に来ていようがそれはもう変えられない過去だ。
だから多少ヤキモチは妬いてしまうけと怒ったりはしない。
ミナトのお友達が女の子とたくさん遊んでいたとしてもそれはわたしには関係ないし、ミナトもそうだなんて思わない。
それにわたしが初めてと聞けて嬉しいし⋯。
「じゃあここはそのミナトのお友達イチオシなんだ？」
「うん、だから多分間違いないよ」
「それは楽しみだなぁ」
手を繋いだまま、真っ暗な夜空を見上げる。
今か今かと夜空に鮮やかな花火が打ち上がる瞬間を二人で待っていた─────。
「あっ、始まった！」
とわたしが言った声と、高く響くヒュルルルと花火が空に昇っていく音が重なって⋯⋯、次の瞬間にはドォンッ⋯！という大きく衝撃的な音が耳を劈く。
「わっ、綺麗！本当に何の障害もなく花火が見えるね！ミナト！」
「後で陸にお礼言っておく」
「うん！⋯綺麗だなぁ」
次から次へと打ち上がっていく花火は、それはもう絢爛豪華なものだっだ。
赤、青、緑、黄金と色とりどりの花火たちが夜空に花を咲かせていく。
休む暇もなく視界いっぱいに広がる花は圧巻で。見上げるわたし達をただただ圧倒していく。
