「ここって⋯、」
「凄いちっちゃい公園だろ?でもここからだと花火が凄い綺麗に見えるらしい」
連れてこられたのは、ミナトの言う通り小さな公園で。
むしろ公園と言っていいのかもわからないここは、砂場と滑り台が置いてあるだけの空き地にも見える。雑草もたくさん生えているけれど幸い公園入口の方は砂利の様なやや大粒の砂が敷いてあった為草はなく、わたしたちは入口付近に立った。
「ここ、ちょうど花火が上がる方向に高い建物がなくて、花火が見切れる事がないんだって」
「そうなの?」
「うん。まぁ、俺もここで見たことはないから本当かどうかわかんないんだけど⋯」
「どういう事?」
ミナトが教えてくれた穴場なのにミナトもここで花火を見たことがない?と首を傾げるわたしに少し照れくさそうな表情をしたミナト。
「⋯陸って友達がいるんだけど、ソイツが去年ここで花火見たらしくて⋯誰と行くとかは言ってないけど今日花火大会行くんだって話したらここ教えてくれたんだ」
「⋯お友達が?」
「うん⋯、まぁアイツが言うからにはきっと本当だろうから期待していいよ」
「期待していいんだ?」
「アイツ結構色んな子と遊んでるから、こういう穴場的なのにも詳しいんだよ。ここで花火見れば女の子が喜ぶとか、⋯あ、俺は別に違うよ?」
何を勘違いしたのか「俺は花火大会とか女の子と来るの初めてだし⋯」と弁解するミナトに「わかってるよ」と笑う。



