「なんか⋯夕方に待ち合わせってドキドキするね⋯!」
「うん、確かに」
「うん⋯、へへっ、」
昼に待ち合わせをして夜まで一緒にいる事はあっても夕方に待ち合わせというのはした事がないから新鮮だ。
放課後に会う時もここまで日が暮れてからではないし⋯。
なんだかその新鮮さだけでドキドキとワクワクが混ざって意味もなく笑ってしまう。
わたしは緊張するとヘラヘラしてしまうタイプらしい。
「⋯⋯浴衣、言ってた通り白だ」
お互い照れくさくなってしまって暫く無言で見つめあっていれば、呟く様なミナトの声に一気に心拍数が上がる。
「うん、白にしてみた。⋯どうかな?」
友佳里リサーチでは、男の子は白い浴衣が好きらしい。果たしてミナトがそれに当てはまるのかわからないけれど取り敢えず浴衣に関して言及はしてもらえたとホッと一安心して、調子に乗ったわたしは「似合ってる?」とミナトを見上げて──────。
「似合ってる。綺麗だよ」
愛おしそうにわたしに微笑んで見せるミナトになんだか泣きそうなくらい胸が熱くなった。



