そんな中でもミナトとは一週間に三回は会っている。

夏休みに入りミナトはバイトや友達と遊んだりとそこそこ忙しい日々を送っているみたいだけど、わたしと会う時間もちゃんと作ってくれていて。


時にはお出掛けをしたり、図書館で勉強会を開いたり、そういえばこの前は人生で初めてカラオケに行った。

ミナトの歌声ってどんな感じなんだろ!?って楽しみにしてたらまさかの音痴だったのには笑ってしまった。


アハハと歌うミナトを笑うわたしにミナトは「そんな笑うならさくらも歌ってみなよ」とちょっとムスッとしながらマイクを渡してきて、最近友佳里に教えてもらった流行りの曲を歌ってみたらなんと96点が出て。


「なんかすっごい悔しいんだけど。これはさくらも下手っていう流れだったじゃん」と不貞腐れているミナトにまた笑ったっけ。


思い出すだけで自然と口角が上がり表情が緩くなる。


やっぱりわたしはミナトがいない将来なんて考えられない。


こんなに幸せな気持ちにさせてくれるのはミナトだけだと強く思った。






そしてやってきた八月。


今日はミナトと花火大会に出掛ける日だ。