「もう、いつまで笑ってるの?」
『ごめん、お嬢様がたこ焼きが一番好きとか思わなくて。でも何かそれがさくららしいなって思ってさ』
「悪いですか?」
『全然』
未だクスクス笑っているミナト。
なんだか不思議とわたしもそれに釣られてしまい、ふふっと笑ってしまう。
「ミナトが笑わせるからわたしも笑っちゃったじゃん」
『俺のせい?』
「そうだよ?」
『うん、ごめんな?』
もう一体何が面白くて何に謝っているのかもわからなくなってきて、はあ、と息を吐く。
「笑うと疲れるって本当だね」
『泣くとじゃない?』
「そうだっけ?もうどっちだっていいよ」
笑っても泣いてもどうせ疲れる。
だけど笑って疲れる方がずっと幸せだから、疲れた原因が笑ってっていうだけでわたしは満たされる。
疲れる程誰かと笑うって、あんまり経験した事がなかったから。
「ごめんミナト、笑ったら眠くなってきちゃった」
『ん、ならそろそろ寝ようか』
「うん。花火大会ありがとうね。楽しみにしてる」
『俺も。⋯おやすみ』
「おやすみなさい」
名残惜しさもありつつ、通話を終了させる。
そのままベッドに入って、目を閉じて思い浮かべるのはミナト。
さっき電話をしたばかりなのにもう声を聞きたくなってきちゃった。
だけどそれと同じくらい眠気も襲ってきて─────。
とりあえず花火大会誘えてよかったなあ。
八月も楽しみが出来た。
幸せな気持ちのまま夢の中へと入る。
八月、花火大会。
その時にはミナトと出会ってから四ヶ月が経つ。
ミナトとの時間が増えた分、迫るタイムリミットがある事に顔を逸らしたまま────。



