返事を待つ時間が凄く長く感じる。
一秒がまるで一分のような感覚になる。
だから⋯、
『うん、一緒に行こう』
と言ってくれたミナトに飛び上がるくらい嬉しかった。
「え、いいの?」
『うん、いいよ』
「先約とか⋯、」
『ないよ。大体さくら以外に誰と花火大会行く予定があると思うの?』
「⋯⋯浴衣は白にする」
『それは楽しみだな』
一緒に行ける嬉しさのあまり浴衣の色まで口走ってしまったけど、よく考えたらそれは内緒にしておいた方が良かった気もする。
当日のお楽しみって事で⋯。
まあわたしの浴衣なんて楽しみにはならないだろうけど、お世辞でも「楽しみ」と言ってくれたミナトに当日は一生懸命可愛くして行こうと決めた。
「まだ花火大会は先だけど今から楽しみだなぁ」
『俺も楽しみ。⋯またたこ焼き食べる?』
「食べる!」
『ははっ、じゃあ食べようか』
ミナトと食べるご飯はきっと何でも美味しいのだろうけど、たこ焼きは別格だ。
お花見をした時に食べた人生で4回目くらいのたこ焼きは本当に美味しかった。
たかがたこ焼き、なんて思うかもしれないけどミナトと食べる事に意味があるんだ。
それと思い出がプラスされて、きっと実際の何倍も美味しくなるのだと思う。
「わたし今度誰かに好きな食べ物は何ですか?って聞かれたらたこ焼きって答えるんだ」
『たこ焼きが一番なの?』
「うんっ、たこ焼き最高ー!」
実際には見えないけれどスマホを持っていない左手で拳を作り高く掲げる。
『俺さくらのそういうとこ面白いなって思うよ』
「バカにしてる?」
『してないしてない』
「本当かな~?」
クスクスと笑うミナトの声が鼓膜を擽る。
わたしには何が面白いのかさっぱりだけど、ミナトはわたしのたこ焼き好きがツボにハマったらしい。



