「子どもっぽいもなにも、わたしはまだ子どもです」

「ああ」

「⋯子どもだからこそ言わせてもらいますけど、わたしも華山の家が嫌いです」



ハッキリとそう口にした後で気付いた。

これじゃあ一之瀬の家が嫌いだと言った凛也さんまで子どもだと言っているみたいだと。

もちろんそんなつもりではなかったけれど気を悪くされていたらどうしようと逸らしていた顔を彼へと向ければ、当の本人はさしてわたしの発言を気にしてはいない様子だった。


それどころか「何故だ?」と問い掛けてきて⋯。



「何故って言われても⋯」

「理由くらいあるだろう」

「⋯単純な事ですよ」




「地位や名誉より、わたしは自由が欲しいんです」




わたしがわたしらしく過ごせる様に。

自分で人生の選択を出来る様に。



ただそれだけが欲しい。