「それにしてもアンバランスよねえ」
お弁当を食べ進めているとふいに友佳里がそう言った。
「アンバランス?」
「そう、一流シェフが毎朝お弁当作りだよ?ちょっと面白いでしょ」
「⋯確かに」
友佳里と同じようにわたしは自分のお弁当へと視線を落として、毎朝こうしてお弁当を作ってもらう事になった経緯を思い出していた。
あれは高校に入学してすぐの事だった。
中学からエスカレーター式のこの学校には色んな企業の令嬢たちが通っている事からも到底食堂とは言えない様な、もはやビュッフェの様な食堂がある。わたしも中学生までは毎日その食堂を使っていたけれど、クラスに数人お弁当を持参している子たちがいた。
もちろん皆が皆すごくお金を持っている家柄の生徒ではない為、お弁当を持参している子たちがいるのも当たり前なのだけど⋯。
わたしはそのお弁当がすごく、羨ましかった。
手作りで、栄養バランスが考えられていて。
お弁当わ食べている子たちは皆、本当に美味しそうで。
きっと、食堂で出来たての、この学園に相応しい様な豪勢な食事の方が、温かいはずだし、値段だって高いはず。
だけどわたしは誰かがその人の為だけに作ってくれるそのお弁当がすごく美味しそうに見えたんだ。



