星が綺麗だと異性に伝える意味をわたしはこの時きちんと知っている。
だからこそ照れくさくて話題を変える。
「それよりどうしたの?」
「ん?」
「電話。何か用があったのかなって」
そう聞けばスマホの向こうは一気に静まり返ってしまって⋯、
「ミナト?どうかした?」
さっきとは反対に今度はわたしが無言のままのミナトに首を傾げた。
本当にどうしたんだろ。不思議に思っていれば、「⋯⋯用はないんだけどさ」とほんの少し小さくなったミナトの声が聞こえた。
「ただ、さくらと話したいなって思って」
「⋯っ」
「声が聞きたかっただけだよ」
それは、照れくささと愛しいって気持ちが混ざった様なそんな声で。
ミナトもわたしと同じ気持ちでいてくれている。わたしがミナトを好きな気持ちと同じくらいミナトもわたしを想ってくれている。
それが痛い程伝わってきて。
泣きそうになるくらい、嬉しくて、嬉しくて、苦しい。
だけど苦しい気持ちよりずっと、幸せだから。



