わたしの声に電話越しでもミナトが安心した様に息を吐いたのがわかった。
「あ、良かった聞こえてた」
「いきなり電話しちゃってごめんね、忙しかった?」
「そんな事ないよ。俺もさくらの声が聞きたいって思ってたし」
「⋯うん、わたしも」
こういう事を恥ずかしげもなく⋯、いや、ミナトも少しは照れくさいと感じているのかもしれないけれど、こういう事をいつもちゃんと真っ直ぐに伝えてくれるミナトに嬉しくなる。
だからわたしもミナトが大好きだよって、出来るだけ素直に伝えるようにしたい。
「ミナト」
「ん?」
「今日は星が綺麗だね」
「星?⋯⋯あ、本当だ」
電話の向こうでミナトがカーテンを開ける音がして、今わたし達は同じ夜空を見ているのだと思うと感動した。
ただ、それだけでいい。
ミナトの声を聞いて、同じものを共有して。
そして隣にミナトが居てくれれば、それだけでいい。
地位もお金も安定もいらない。
それが例え茨の道だとしても、ミナトさえいてくれればいいと、本気で思う。



