「それにお嬢様なんて言われてるけど皆学校の中では普通の今時の女の子ですよ」
「そうなんですか?」
「そうですよ!だって…ほら、お嬢様なんて窮屈なだけだから…」
そう言った彼女は何故か物悲しそうな顔をした。
「……」
その表情が何故か気になって、頭から離れない。
すると今度はニコッと笑顔を見せた。
「自己紹介まだでしたね、わたし華山 桜(カヤマ サクラ)っていいます」
「有馬 湊(アリマ ミナト)です」
「ミナト、さん…」
彼女に名前を呼ばれたことが、何故か嬉しかった。
「ミナトでいいですよ」
「え…」
そう口にすると、彼女はキョトンと俺を見た。
「あ、変な意味じゃなくて、あのすいません…」
やばい。
思わず言ってしまったけど、これ完全に引かれた。
「すいません」と謝ろうとすると、
「わたしの事もさくらって呼んでください」
ニコッと笑って言った。



