別に、会社と娘どっちが大切? なんて聞くつもりはない。 だけど、会社の為の道具とは思ってほしくない。 「馬鹿な事を言うな」 「お前は大切な娘だ」 「……っ、」 お父さんの言葉は嬉しいのに、その言葉を素直に受け取れない。 だって、そう思うなら 「だったら…だったら、わたしの事を考えてよ…!」 好きな人といさせて。 会社の為にわたしの将来を利用しないで。 震えた声でそう叫んだ。 だけどその叫びはお父さんには届かなかった。 「一之瀬さんと結婚すれば幸せになれる」 ツーッと、涙が頬を伝った。