夕食を食べ終え部屋にいると、22時くらいにお父さんが帰ってきたことをお手伝いの人が教えてくれた。



それを聞いて急いでお父さんの書斎まで行く。





───コンコン。

「お父さん」


と二回ほど書斎の扉を叩いて、声をかけると



「入っていいぞ」


と返された。


その返事を聞いて書斎の扉を開けた。



「お疲れ様、お父さん」

「ああ」



お父さんはスーツから部屋着に着替えてはいるけど、パラパラと仕事の書類を捲っていた。



「お父さん、ちょっといいかな」

「まだ書類の確認があるんだ、今じゃないとダメなのか？」



書類を見つめているお父さんに声をかけるとわたしの方を見もせずにそう言われた。



「今じゃないとダメなの」


そんなお父さんにはっきりとそう言うとお父さんはやっとわたしを見た。



「…何だ」

「お母さんにも聞いてほしいから、リビングで話したい」

「……分かった」



お父さんは少し不満そうな顔をしながらも書類を机に置き立ち上がった。



「お母さん呼んでくるから先に待ってて」

お父さんにそう言い、書斎を出た。