第2章   転校先の転校生

私の名前は、一ノ瀬郁。
17歳の高校2年生。
側から見れば、華の17歳なんて言われるけど、
現実とは程遠い。
なんでかって?
理由は簡単。
なぜなら私はいじめられてるから。
いじめられる理由は、分かってるつもり。
それは、私のお父さんが自衛隊だから。
お父さんが単身赴任すればいい話なのに、
お母さんはそれを断固拒否する。
それよりも…
いじめられてるのに、
なんの抵抗もしないのが、1番の理由。
どこの学校にも、カースト制度が存在する。
クラスメートを縦並びに身分分けする。
上の奴が下の奴を見下す。
そしてお決まりは…
最下位の奴を全員でいじめる。
上手くクラスに馴染めばいい話だけど、
それをしないから、いじめられる。
みんな、いじめのターゲットに 
ならないようにって必死になって、
気の合う振りをする。
それのどこがいいんだろう?
この気持ちは、ずっと変わることはない。
そう思ってた。

それなのに…
あなたはいきなり私の前に現れて、
私の世界を変えたんだ…