ブン......という鈍い音を聞き、呼吸を整えようと木刀を地に突き立てたその時ーー。


「っ、く......つーーっ!?」


激しい頭痛に襲われ、リーファネルは木刀を離し、頭を押さえて倒れ込む。

《何......?》

鈍器で殴られたかのような激しい痛み。

今まで味わった事は無い。

一体、これは何なのだろうか。

すると、頭の中に直接声が響く。

(許さねぇ!)

《何、これ......?》

(テメェが王なんて、俺は認めねぇ!)

《男の、声だ......知らない、男の......》

憎悪の気持ちが胸の内に渦巻いて止まらない。

体験した事の無いものを上手く表現する事が出来ない。うっすらと開いた瞳に映るのは、霞んだ敷地内に生えている草花だけ。

あと少しの間は、誰もここには来ないだろう。

(どんな手段を使っても、俺は欲しいものは手に入れてやる)

《一体、お前は、誰、なん、だ......》

(俺はーー)

そこで、ふつりとリーファネルの意識は途絶えた。